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肝癌治療:ラジオ波焼灼療法(RFA)

RFAは1995年ころ欧米で開発され、日本では1999年に臨床応用されました。主に肝悪性腫瘍の治療法として広く普及している本法の最大の特長は、低侵襲でありながら手術に匹敵する抗腫瘍効果が得られる点にあります。RFAは、癌を制御しながら肝機能をできるだけ温存しつつ、繰り返し治療が可能な治療法であり、現在肝癌局所治療の主軸となっています。一般的には最大径が3センチメートルまで、個数が3個までが適応とされていますが、他に有効な治療法がない場合には、この適応を超える場合であっても、積極的にRFAを行う方針としています。

治療の内容と件数(平成26年度)

  • ラジオ波焼灼療法 70例

ラジオ波焼灼療法(RFA)の方法

  • 腫瘍の内部に約1.5ミリ径の針(電極)を挿入し、ラジオ波(約450キロヘルツの高周波)により電極周囲に熱を発生させて病変を焼き切る治療法です。一般的には局所麻酔下で行います。超音波で病変を観察しながら電極を体表から挿入していきますが、腹腔鏡や開腹下(全身麻酔下)で肝臓を直接観察しながら治療する場合もあります。治療に必要な入院期間はおよそ1週間です。
  • 当科では、展開型の電極を用いてRFAを行っています。焼灼範囲をミリ単位で調整できる点と、安定した焼灼が得られる点が特長です。

ラジオ波焼灼療法(RFA)の方法

RFA治療の実際(心臓に近接する腫瘍の症例)

  • 肝左葉深部にあり、横隔膜を介して心臓に接している病変に対してRFAを施行。
  • CT上病変に接していた心臓の冠静脈に影響なく治療された。

RFA治療の実際

RFA治療の実際(胆嚢近傍の腫瘍の症例)

  • 病変は胆嚢を圧敗するように存在していた。展開型電極の特性を活かし、焼灼範囲を調整することによって、合併症なく治療された。

RFA治療の実際

(文責 今村雅俊)