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心理教育チーム

 「統合失調症患者家族への心理教育プログラム」

統合失調症に対する心理教育は、欧米では浸透し、再発防止、治療技術、倫理観、低コスト化に寄与することが実証され治療ガイドラインに明示されています。国府台病院精神科では、厚生労働省精神・神経研究委託費による、「統合失調症の治療及びリハビリテーションのガイドライン作成とその実証的研究」、「精神政策医療ネットワークによる統合失調症の治療及び社会復帰支援に関する研究」、「統合失調症の治療の標準化と普及に関する研究」の主任研究者を歴任してきた経緯があります。

我が国の実情にあった心理教育の実施マニュアルを作成し、国府台病院で家族への心理教育による介入研究を実施し、家族の感情表出を低下させ、退院9か月まで再発率は有意に低下する等、その有用性を実証しました。その結果に基づき、国立病院機構を中心とした12の医療機関で介入研究を実施し、9ヵ月、2年後の追跡調査で、有効性を検証しました。

その後は普及研究に取り組み、米国のEvidence Based Practiceツールキットプロジェクトをもとに心理教育普及ガイドラインとそのツールキットを開発しました。精神障害を持つ本人および家族に対する心理教育を精神科臨床の現場に普及するために、17精神科医療機関で、ランダム化比較試験を実施しました。統合失調症の残存率、フィデリテイ尺度の改善が認められました。また、定型化された心理教育の普及のために、コンサルタントを全国に配備し、スタッフ養成のため定期的な研修会を開催し、心理教育の実施を支援するコンサルテーション・マニュアルを開発し、均てん化を実施してきました。

現在では、心理教育・家族教室ネットワーク 「http://www.jnpf.net/index.html 」(外部リンク)および地域精神保健福祉機構Community Mental Health & Welfare bonding organization : NPOコンボ「http://www.miraclegate.com/comhbo/」(外部リンク)が実務を引き継いでいます。

以上は、政策医療の一環として、多くの精神科医療関係者のネットワークを基に長年蓄積された結果であり、国立センターの責務を果たしてきた成果であると考えています。

現在では多くのスタッフの移動等がありましたが、精神科医師、病棟看護師、薬剤師、臨床心理士、精神保健福祉士、事務補助、約20名の多職種スタッフで毎年、1クール4回の家族心理教育を、実施しております。